家族信託のことなら東京・新宿のカリーニョ行政書士事務所

最近注目されている相続の仕組み=家族信託

1  「親が認知症かも?」との気づき
2  親御さんへの説得
3  契約書作成
4  信託契約書を公正証書にする
5  信託財産を受託者に名義変更(信託登記)
6  金銭を信託するための銀行口座を開設する
   つぎは家族信託の必要性について説明します。
   費用はどのくらいかかるの?

「親が認知症かも?」との気づき

 新型コロナウイルスのために、しばらく制限されていた病院・施設の面会が一部解除され、早速、施設や病院に面会に行かれた方も多いのではないでしょうか?
また、久しぶりに帰省された方もいるかもしれません。
 親御さんに久しぶりに会えて、嬉しさもひとしおですね。
 一方で、親御さんが何回も同じ話を繰り返す、言葉がなかなか出てこない等、認知症が始まったのかなと感じてがっかりなさった方もいるかもしれません。

 家族信託という存在を考えるのは、この時がラストチャンスです。

■家族信託契約ができる限界
家族信託はするのには限界があります。
「自分の名前がわからない」「家族が誰かわからない」といった状態が定着してしまうと法定後見人に頼らざるを得なくなります。
法律行為(たとえばパン屋でパンを買うのも、売買契約という法律行為です)をするには、「意思能力」が必要であり、「意思能力」がないと、法律行為が無効になってしまうので、家族信託もできなくなってしまうのです。
もっとも、認知症はその程度によっては、まだまだ家族信託ができる可能性があります。
重度の認知症の場合には、この「意思能力」がないと判断されてしまいます。
とはいえ、軽度の認知症では、意思能力はまだまだ認められることが十分あります。

では意思能力があるかないかの判断は誰がするのでしょうか?
これは、預貯金であれば、預けられている金融機関の支店長(以前、某銀行に問い合わせたところ、具体的な一律の判断基準はないとの回答がありました)、不動産であれば、不動産屋さん、その後、登記移転の際は依頼する司法書士、または登記官でしょう。

銀行など金融機関で、一度「法定後見人をつけてください」と言われてしまうと、預貯金は凍結されてしまいます。法定後見をつけるまで、その方の預貯金の出し入れはできなくなるのです。
 その前に、ぜひ家族信託で、財産を家族に移転させましょう。

なお、今後、親の財産が凍結された後、その財産を誰も使えなくなる期間はどんどん伸びていきます。
なぜなら、癌、心筋梗塞や脳卒中等は治療法がどんどん進んで、延命し、人生100年時代といわれているのに比べて、認知症は、現在の医学では、進行を遅らせても、元の状態に戻すのは困難といわれているからです。
 認知症と診断されると「本人に判断能力がない」とされるので、亡くなるまでの長い期間、財産凍結されることになりかねません。

 
認知症が重症化して、銀行等で「法定後見人をつけてください」と言われたら?
法定後見人は裁判所が選びます。家族が法定後見人になれる確率は3割にも満たないそうです。ほとんどが弁護士等第三者になってしまいます。そうなると、高い報酬を第三者である弁護士等に支払わざるを得なくなることになってしまいます。さらに、後見人は一度預かった財産を出すことに、非常に慎重で、柔軟な対応は期待できません。特に不動産を処分するのはハードルが非常に高いです。

重症化する前に家族信託を検討しましょう!!!



親御さんへの説得

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家族信託をやった方がいいと決断したら、つぎは親御さんに家族信託を勧め、家族信託契約を結んでもらえるように説得しなければなりません。

■しつこく勧めると意固地になってしまうので注意!
家族信託の必要性を親に言っても、「俺は絶対ボケない」「まだまだ、自分で管理てきるよ」「そんな話はしたくない」「銀行に任せてある」などと反論されて話にならない、というお悩みをよく聞きます。

 では、どんなふうに言えば納得してくれるのでしょうか。そこは親御さんの性格によって、異なる気がします。そこでタイプ別のアプローチ方法を少しご紹介します。

・理詰めで頑固系の親御さん
「お父さん(またはお母さん)は、もちろん知ってると思うけど、家族信託ってのがあるんだよね?あれどう思う?」と切り出しましょう。続けて、
「もちろんお父さんまたはお母さんはまだまだ、認知症とかにはならないと思うけど、今後転んで骨折して長期入院とかで、銀行にお金預けっぱなしにすると、休眠口座となって、手数料がかかる可能性もあるよね。また、万が一、病気が見つかって療養しなくちゃならなくなると、お金の管理が難しくなるよね?お父さんとお母さんの使ってない口座だけ預かろうか?家族信託は信託財産をどれにするか自分で選べるから、いいよね」

・家族思いの優しいタイプ
「お父さん(またはお母さん)いつも、私たちのこと考えてくれてありがとう。実はね、お父さん(またはお母さん)には、今後も長生きしてもらいたいんだけど、もしも病気や怪我で、口座とか分からなくなったときはさ、私たちの方がすごく困っちゃうんだよね。そうならないために、私たちに管理任せてくれない?」

・少し認知症が入ってきた親御さん
「お父さん(またはお母さん)、銀行の口座とかパスワードとか全部わかる?今後、口座ほったらかしにすると、お金手数料で取られちゃう可能性あるんだって。少し整理した方がいいんじゃない? 家族信託すると、もし、忘れちゃっても、安心だよ」

 いかがでしょうか?
 いちばんよくないパターンは、乗り気じゃないときにしつこく勧めてしまい、親御さんも意固地になってしまうことです。拒否されたら一度あっさり引いて、ちょっと親御さんの身体が弱ってる時に、優しくしてあげて、必要性を説くといいでしょう。




契約書作成

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親御さんの説得に成功したら、次は契約書の作成です。
まず、家族信託の契約書には信託の目的条項があります。
この目的はそれぞれの家族により異なります。
例えば、
①親が認知症や病気により意思判断能力が低下する恐れがあるため、財産を家族に託しておきたい。
②子どもたちに不動産を平等に相続させたいが、共有名義はトラブルのもとなるので避けたい。(遺言的機能)
③現在所有している共有不動産について、共有者間でトラブルが起きないようにしておきたい。
④認知症の妻に後見人をつけなくて済むように財産を遺したい。
⑤再婚したのだが、再婚相手との間には子供がおらず、前妻の子供がいるので、その子どもたちに相続させたい。
⑥親なき後に障害のある子の生活を保障したい。

このようにいろいろな目的を達成できるように作成しなければなりません。

家族信託の目的が決まったら、次は信託する財産を決めます。信託の対象にできるのは、主に現金、預金、株式などの有価証券、不動産などです。管理や運用をまかせる財産を何にするかというのは非常に重大なテーマなので、家族間で納得するまで話し合って決めましょう。

家族のうちの誰が受託者(財産を預かる人)になるか。期間が満了になった後の財産をどうするか。誰が利益を受けるのか等 決めなければいけないことは多々あります。

とても複雑で法律知識が必要なので、自分で作成するのは危険です。不備があって、将来家族信託契約書があるがためにかえって家族が揉めてしまう等も予測できるからです。
家族信託の専門家に任せるのがいいでしょう。


契信託契約書を公正証書にする

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信託契約書を作成したら、公正証書にすることをお勧めします。家族信託の効力をより確実なものにすることができます。一度、公正証書にすると、後からその内容について異を唱えたり内容をひっくり返すということは非常に困難になります。特に、現金(預貯金・株式含む)を信託する場合には、公正証書にする方がいいです。なぜなら、信託をするときには、必ず、信託用の銀行口座を作ってもらいますが、その際、名義が変わってしまうので、税務署に贈与と勘違いされ、贈与税がかかってしまうといった危険を避けるためには、公正証書のほうが、信用性が高いからです。
加えて、契約書を紛失してしまったときのリスクも回避できます。
しかし、信託財産が不動産だけのときは公正証書にする必要はあまりないです


 

信託財産を受託者に名義変更(信託登記)

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信託財産が不動産のときは、その所有権を委託者(財産を預ける人)から受託者(財産を預かる人)に登記を変更する必要があります。
この登記移転はあくまでも、信託のためなので、贈与とは異なります。信託のための移転登記であることが登記簿に記載されます。
この登記があることで、受託者はその不動産を売却したり、修繕したりすることが可能となります。

金銭を信託するための銀行口座を開設する)

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かりに、信託財産が不動産だけだとしても、受託者(預かる人)には、新たに銀行口座を作ってもらいます。そして、その口座でお金の管理をしてもらいます。
なぜ、新たに作るのかというと、受託者の個人的なお金との混在を防ぐためです。
銀行によっては、名義を「委託者○○受託者××」としてくれるところもあります。

以上、実際の流れを説明しました。



つぎは家族信託の必要性について説明します。

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銀行にお金を預けっぱなしにすると、どんどんお金が減っていく?
■休眠口座の存在がわからなくなるケースは頻繁にある
 2019年12月5日、NHKのニュースでこんな報道がありました。

「大手銀行の三菱UFJ銀行は一定期間、取り引きがない口座から手数料を取る方向で検討に入りました。長引く低金利で経営環境が厳しくなっているためで、預金者から手数料をとることになれば大手金融グループ3社では初めてとなります」

「三菱UFJ銀行は、現在は口座を持つのに手数料はかかりませんが、2年間、出金や入金などの取り引きがない口座からは手数料をとる方向で検討しています」
とのことです。このような保管料は、日本人からすると驚きですが、海外では割とよくあります。今後、ほかの銀行も追随する可能性も高いと思われます。

 今後、手数料が取られることになると、相続争いが長引いて事実上の財産凍結や、認知症等で事実上の預貯金凍結になった場合、財産が目減りしていくことになる可能性があります。
こうした銀行の休眠口座が、時効で銀行のものになることはありませんが、認知症発症後や相続時に、本人や被相続人がどこの銀行にいくら持っていたか、休眠口座の存在がわからなくなるケースは頻繁にあります。


 銀行に名前や生年月日を伝えて問い合わせれば、自分の口座があるかどうかは調べてもらえますが、本人以外は教えてくれません。
 また、本人でも、教えてもらうためには、口座を作った支店の特定が必要になります。
 銀行の本部にはペイオフに備えて各支店の口座を名寄せするシステムが構築されていますが、休眠口座の確認には活用できないとのこと。休眠口座を確かめたければ結局、心当たりのある支店に本人が問い合わせるしかないそうです。
 もし認知症になっていたら……。

 そうなる前に、財産をきちんと整理しておくことが必須でしょう。
高齢でも自分の意志をはっきり伝えられる状態ならいいのですが、認知症になってしまうと、当の親自身の財産を使うことが難しくなる上、口座の手数料だけ取られることになりかねません。

 家族信託の契約書を作成するときは、持ってる財産を全て信託する必要はありませんが、どの財産を信託するか精査します。
なので、自然に財産は整理されることになります。

 

後見人の問題点……久しぶりに親の顔を見たとき、考えておくべきこと
■孝行息子の独断が、最大の親不孝に
子が親を施設に入居させる場合、とくに男性は「母さんの介護費くらいオレが出す」となりがちですが、親の寿命を短く見積もって大変な事態を招く可能性があります
どういうことか説明しましょう。

 ご存知のように、施設には大きく分けて民間の有料老人ホームと、公的な特別養護老人ホーム(特養)があります。
介護付き有料老人ホームの入居には、入居一時金として0〜1億円、月額利用料として10万〜40万円程度が必要です。入居一時金が支払えたとしても、年金だけで月額利用料を賄うのが難しい場合がほとんどです。不足分は貯蓄を取り崩すことになりますが、今後は100歳以上長生きすることも珍しくなく、蓄えが底をつくおそれがあります。


 母親が100歳になる頃には、介護する子どもも70〜80歳に近いでしょう。
そのとき「費用が支払えない」と後悔しても、間に合いません。孝行息子の独断が、最大の親不孝になりかねない上、親の介護で無理をすれば、次は自分の子に負担をかけてしまいます。


 親の介護は三世代に影響することを認識して「親の介護費用は親の資産で賄う」と割り切るべきです。そのために大切になってくるのが、親の財産凍結防止対策です。
当の親が、高齢でも自分の意志をはっきり伝えられる状態ならいいのですが、認知症になってしまうと、親の財産を使うことが難しくなるからです。

■親の財産を使うには後見人をつけるしか方法はない?
後見人さえいれば凍結されてしまった「お金問題」はすべて解決でき、さらに介護施設の入所契約も締結できると言われていますが……。
しかし、後見人や成年後見監督人には以下のような問題点があります。
専門職(弁護士・司法書士等)後見人が選任された場合、もっとも大きな問題は、年間24〜60万円程度の報酬が発生するという点です。10年で240万〜720万円となります。この金額を支払わなくてはいけません。

 また専門職後見人が選任されてしまえば、たとえ家族であっても、後見を受ける親の財産に手が届かなくなります。親の財産はすべて専門職後見人の手に委ねられることになり、1か月に必要な費用だけが与えられる形になるのです。
それ以外の費用は、いちいち「〇〇のためにお金が必要です」とお伺いを立てて、支払いを認めてもらわなければならなくなります。

 一方、専門職ではなく、家族の一員が選任された場合でも問題があります。
家族が「本人は真に望んでいる」と考えたとしても、家庭裁判所がその希望を認めてくれないことが多くあるという点です。

■困ったことになった事例
息子として成年後見人に選任されたAさんはこう語ります。

 「母の死後、認知症の父は介護施設に入居しました。ただ当時、父の認知症の症状は持ち直ししており、普通の会話が成り立ち、父が意思を述べることも多くありました。その日も『今日は私がみんなにご馳走しよう』と言いました。だからこそ父の意思を尊重して、『じゃあ、今日はおごってもらおうかな』と、その飲食代を父の預金から支払わせてもらったのです。


 成年後見人になると、家庭裁判所に1年に1度、財産の収支報告をする必要があるのですが、この出費には『本人の意思とは立証できない』ということで、認めてもらえませんでした。


 同様の理由で、母が元気なときに、親子間で話し合っていた、相続税対策も一切できなくなりました。年間110万円まで贈与税が発生しない『暦年贈与』を実行しようとしたら、裁判所からストップがかかったのです。母の遺産相続についても、父は私に『俺はいらないよ』と言っていましたが、法定相続分に従わざるを得ませんでした


 家庭裁判所としては「認知症を患い、本人の判断能力が低下しているから」という言い分で、こうした行為を認めないわけですが、それでは「自己決定権の尊重」や「残存能力の活用」といった理念は、もはやどこ吹く風です。


 このように、法定後見人の制度は問題点が多いような気がしますし、最後のわがままを叶えてあげることが難しくなるような気がします。


 その点、家族信託・民事信託は、家族間なので高額な報酬はかかりません。なによりも、親御さんの意思を最大限尊重してあげられるのです。


 久しぶりに実家に戻って親の顔を見たとき、「ボケてなくてよかった」と胸をなで下ろすのではなく、「今のうちに対策を考えておかなければ」と、発想の転換が大切です。



有料老人ホームについて
東京都の有料老人ホームに入るには
入居時費用の相場 443.3万円 + 月額費用の相場 25.1万円
が必要になります。

 これに対して、年金の平均受給額は、厚生労働省(2018年12月)の統計によると、

国民年金 単身者/55,615円  夫婦2人分/111,230円
厚生年金 男性/166,668円  女性/103,026円
厚生年金(夫)+国民年金(妻)  222,283円
厚生年金 夫婦共稼ぎ  269,694円

 なお、厚生年金について厚労省では夫婦二人のモデルの想定支給額を公開しています。40年間サラリーマンとして働いた夫と、専業主婦の組み合わせが想定されており、その金額は「221,277円」です。
今回、計算した金額も、ほぼ同じになるので、だいたい、このあたりを一つの目安として考えれば良いでしょう。
ただし実際の年金受給額は、多くの方の場合がこれより少ないのです。


 このように月額費用だけみても、赤字です。この分は預貯金を取り崩したり、私的年金などで賄っているのが現状なので、老後資金が「2000万円足りなくなる」というのは、きわめて現実的な話なのです。

 幸いにして預貯金を2000万円持っているという方の場合、何も心配しなくてもいいのでしょうか? 残念ながら、そういうわけではありません。

 認知症などで意思能力を喪失してしまうと、預貯金の口座は凍結され家族でさえおろすことができなくなります。子どもたちは、親御さんが亡くなるまで、老後資金を立て替えなくてはいけません。
そうならないために、親御さんの財産をしっかり管理することが、親御さんのためにも子どもたちのためにもいい、ということになります。
「家族信託」の仕組みを使って、財産を家族が管理することが大切です。

費用はぢれくらいかかるの?

 行政書士報酬の目安です。

信託財産の評価額 契約書作成費用(コンサルティング料を含む)
1億円以下 0.5%(最低額15万円)
1億円超3億円以下 0.3%+20万円
3億円超5億円以下 0.2%+50万円
5億円超 0.1%+100万円



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