遺 言
「遺言書は、財産がたくさんある人が書くもの」「自分にはまだ早い」——そう思っていませんか?
実は、遺言書は財産の多い・少ないに関わらず、大切な人への想いを残すすべての方に役立つものです。遺言書がなければ、ご家族が思わぬ負担や争いを抱えることもあります。逆に、きちんとした遺言書があれば、残されたご家族がスムーズに、そして穏やかに手続きを進めることができます。
このページでは、遺言書の種類や作り方、2026年現在の最新制度まで、わかりやすくご説明します。

遺言書がない場合、相続財産は相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で分けることになります。しかし、この話し合いがスムーズにいくとは限りません。
・ 相続人の間で意見が合わず、長期間もめてしまう
・ 疎遠だった親族と連絡を取り合う必要が生じる
・ 認知症の相続人がいる場合、成年後見人の選任が必要になる
・ 再婚していた場合、前婚の子どもも相続人となり複雑になる
遺言書を残しておけば、基本的にその内容に従って相続手続きが進みます。「誰に、何を、どのように渡したいか」という想いを、法的な形で確実に伝えることができるのです。
遺言書は、あなたから大切な人への最後の贈り物です。
現在、法的に有効な遺言書には主に3種類あります(2026年6月現在)
全文を自分で手書きして作成する遺言書です。費用をかけずに、いつでも自宅で作成できるのが最大のメリットです。
◆ 主なルール
・ 遺言書の本文・日付・氏名をすべて自筆で書く
・ 押印が必要(※2026年4月閣議決定の民法改正案により、
将来的に押印不要となる見通しです)
・ 財産目録のみパソコン作成・通帳のコピーなどを添付することが可能
◆ 注意点
・ 書き方にルールがあり、形式の誤りで無効になることがある
・ 自宅保管の場合、紛失・改ざん・発見されないリスクがある
・ 死後、家庭裁判所での「検認」手続きが必要(法務局保管の場合は不要)
→ 法務局の保管制度を利用することをおすすめします(後述)
公証人が作成し、公証役場で保管される遺言書です。最も確実性の高い遺言書で、形式上の不備で無効になることがなく、家庭裁判所での検認も不要です。紛失・改ざんのリスクもありません。
◆ 作成の流れ
・ 遺言内容を整理して公証人と打ち合わせ(必要書類の確認)
・ 証人2名の立会いのもとで遺言内容を口述
・ 公証人が文書を作成し、署名・押印
・ 原本を公証役場が保管、正本
・謄本が交付される
費用の目安: 財産の金額に応じた公証人手数料がかかります(数万円程度)
| 2025年10月から:オンラインでの作成が可能になりました 公証役場に出向くことが難しい方(高齢・入院中・遠方にお住まいの方など)でも、Web会議システムを使って自宅や施設から公正証書遺言を作成できるようになりました。対応している公証役場は順次拡大中です(電子署名・マイナンバーカード等が必要です)。 |
遺言の内容を秘密にしたまま、遺言書の存在だけを公証役場で認証してもらう方法です。実務での利用は少なく、形式不備のリスクもあることから、現在ではあまり使われていません。
2026年4月、スマートフォンやパソコンで作成できる新しい遺言の形「保管証書遺言」を盛り込んだ民法改正案が閣議決定されました。
◆ 主な特徴(改正案の内容)
・ 全文自書が不要。パソコン・スマホでの作成が可能
・ 電子署名等による本人確認を行い、法務局に保管されることで効力が発生
・ 遺言書保管官の前で全文を口述する手続きが必要
運用開始の見通し: 法案成立後、システム整備を経て2028年度中が目標とされています。現時点ではまだ利用できません。 内容も今後変更される可能性がありますので、最新情報にご注意ください。
自筆証書遺言をお持ちの方には、法務局(遺言書保管所)への保管を強くおすすめします。2020年7月からスタートしたこの制度を利用すると、次のメリットがあります
・ 紛失・改ざん・隠匿などのリスクがなくなる
・ 相続開始後、家庭裁判所での検認手続きが不要
・ 相続人等が遺言書の閲覧・証明書の交付請求が可能
・ 全国どこの法務局でも検索・確認ができる
◆ 申請の流れ
・ 遺言書を法務局所定の様式で作成
・ 管轄の遺言書保管所(法務局)に本人が直接出向いて申請(代理申請・郵送は不可)
・ 保管証書が交付される
費用は1件3,900円(申請手数料)です。遺言書の内容を変更したい場合は、いつでも撤回・再申請が可能です。
遺言書には、法的効力のある事項と、法的効力はないものの想いを伝える「付言事項」があります。
◆ 法的効力がある主な内容
・ 誰に、どの財産を相続させるか(遺産の配分)
・ 相続人以外の方への遺贈(寄付・団体への贈与も可能)
・ 遺言執行者の指定(手続きを進める人を決めておける)
・ 認知(婚姻外の子の認知)
・ 未成年後見人の指定
◆ 付言事項(法的効力はないが大切なこと)
・ 家族への感謝のメッセージ
・ 遺言書を作成した理由・想い
・ 葬儀や埋葬の希望
・ 財産を特定の人に残す理由
付言事項は法的な拘束力はありませんが、残されたご家族にとって大きな心の支えになります。ぜひ、温かい言葉を添えてください。
遺言書があっても、法定相続人(配偶者・子・父母など)には遺留分という最低限の相続の権利が保障されています。
遺言書の内容が遺留分を著しく侵害している場合、その相続人から遺留分侵害額請求を受けることがあります(2019年民法改正で「遺留分減殺請求」から現在の名称に変更されました)。
遺言書を作成する際は、遺留分を考慮した内容にすることが、後々のトラブル防止につながります。
① 財産・家族関係の整理
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② 誰に何を遺すか検討
↓
③ 専門家(行政書士等)への相談・原案作成
↓
④ 公証人との打ち合わせ(公証役場 or オンライン)
↓
⑤ 証人2名の手配
↓
⑥ 公証役場にて遺言書作成・署名
↓
⑦ 完成・保管(公証役場に原本保管)
当事務所では、①〜⑥のすべてについてサポートいたします。公証人との調整も含め、お客様の負担をできるだけ少なくしながら、安心して手続きを進めていただけるようお手伝いします。
・ お子さんのいないご夫婦
・ 再婚されている方、前婚のお子さんがいる方
・ 特定の子どもや家族に多く残したい方
・ 内縁関係のパートナーに財産を渡したい方
・ 事業を特定の後継者に引き継いでほしい方
・ お世話になった方・団体に遺贈したい方
・ 家族に迷惑をかけたくないと思っている方
遺言書は、一度作成したあとでも何度でも内容を変更することができます(後から作成したものが有効)。ですから、「今の状況でとりあえず作っておく」という考え方でも大丈夫です。
遺言書は「遺言能力」がある状態で作成する必要があります。認知症が進行してからでは無効になるリスクがあります。「いつかそのうち」ではなく、判断能力がしっかりある元気なうちに作成することをおすすめします。
内容を事前に伝えるかどうかは任意ですが、遺言書の「存在」は信頼できる人に伝えておくと安心です。法務局保管制度を利用している場合は、相続開始後に相続人が照会できる仕組みがあります。
ぜひご相談ください。形式上の不備で無効にならないよう、拝見してアドバイスいたします。
公正証書遺言の場合、公証人手数料(財産額により異なる)に加え、当事務所の報酬がかかります。まずはお気軽にお問い合わせいただき、お見積りいたします。
遺言書を作ることは、「死を意識すること」ではなく、「大切な人の未来を守ること」です。
「あのとき書いておけばよかった」と後悔することのないよう、ぜひ今のうちから一歩を踏み出してみてください。どんな小さなご質問でも、まずはお気軽にお声がけください。お一人おひとりの状況に合わせて、丁寧にご説明・サポートいたします。
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